運送会社の選び方(運送会社が協力会社を選択する際にも見ているポイント)

会社の紹介・概要

運送会社を選ぶ際は、二段階で選択していきましょう。

本項目については資料をダウンロード可能です(イプロスのページになります)。

≪第一段階≫で確認すべき点
①運ぶべき商品の取り扱い実績や経験具合
②配送のエリア、車種車両の特徴
③普段、どんな業務を行っているか?

≪第二段階≫で確認すべき点
①事故・トラブルの対応力
②同業他社との協業具合
③人材確保に対する取組み

それでは具体的に下記に説明していきます。

≪第一段階≫ ①運ぶべき商品の取り扱い実績や経験具合

例えば、建築現場向けの建材輸送を計画している場合、現場向け配送の経験や商品の取扱い方法の知識などは、重要な選択基準です。


『都心のビルへ配送』という要求に対して車両の高さ制限と養生作業の有無を確認してくるような会社であれば、安心できる会社と言えるでしょう。
またパレット輸送を依頼しようとした際に、『フォークリフト運転できません』という運送会社もあります。トラック輸送の原則は車上渡しですから致し方ありませんが、届け先のお客様工場への配送には、輸送依頼者からするとフォークリフトの運転ができるドライバーで対応したいと考えるものです。
輸送品目により業界特有の商慣習もあるはずです。経験によって配送品質に影響が出ますので、実績や経験具合の確認は最も重要なポイントとなります。
もちろん物流担当者ご自身が、自分の会社の業界慣習を理解していないと、基準が設定できませんので、そこは勉強が必要です。

≪第一段階≫ ②配送のエリア、車種車両の特徴

一般的に関東エリアを基盤としている会社に対して、近畿圏の配送を依頼することはあまり得策ではありません。
例えば自社倉庫から大阪市内までの輸送も、朝、昼、夜間によって時間が変わってくるはずです。時間は輸送費用に関わります。
普段、配送エリアとして走っているからこそ適切な輸送費を提示してくるはずです。
配送エリアは当然確認しましょう。
一概にトラックと言っても、小型(おもに2トン車)、中型(おもに4トン車)、大型(おもに10トン車)、また小型~大型それぞれに、平ボディ、ウイング、ゲート、ユニック車などの種類があります。
ここで選ぶべきは、すべての車種をまんべんなく持っている会社ではなく、自社が必要な車種を多く持っているかどうか、です。自社が必要な車種というのは、前ページに記した、商品の取り扱い実績や経験具合にも直結しますので、トラックの総台数や種類の多さではなく、自社にとって必要な車種があるかどうかで選択してください。

≪第一段階≫ ③普段、どんな業務を行っているか?

ここで言っている業務というのは、長距離、地場専門、東北に強い、など地域を限定するようなものではなく、貸切便(チャーター便)、混載便、路線出荷、JR利用などの取扱いサービスのことです。

運送会社には上記の『運ぶ』という取扱いサービス以外にも『保管する』業務や荷主の代わりに『作業する』業務もあります。
一般的に物流には
*商品受注業務  *運送会社等への発送手配
*返送品の処理    *受注データの入力業務
*フォークリフト作業  *在庫データの管理業務 
*商品ピッキング    *購買商品の検査検品業務
*伝票作成業務  *出荷のための梱包業務
などの業務があります。
運ぶ以外の相談ができるかどうかは物流担当者としてたいへん重要です。
私たち運送会社が協力会社を選択する際には、その会社がどんなことをやっているのか、しっかりと業務内容を把握しております。

≪第二段階≫

①事故・トラブルの対応力
依頼先のトラックに付保されている自動車保険の付保額、荷物保険の補償額はご存知ですか?
自動車保険については、人命に関わりますので対人対物ともに『無制限補償』じゃないと不安ですよね。また荷物保険については、3,000万円という補償基準は最低必要かと思います。自社製品をトラック満載で、仮に全損した場合いくらになるのか、は知ったうえで運送会社を手配しましょう。

同業他社との協業具合
1社だけで全てを賄っている運送会社は、大手であっても、中小であってもありません。
外作(外注)か内製かは製造業さんにとって常に頭を悩ますポイントですが、運送会社にとっても同様です。1~2か月先は見通せるかもしれませんが、事業環境が目まぐるしいスピードで変化している現在では1年後の事業の見通しを立てにくい状況のはず。
普段から外作(外注)を多く利用している会社は、繁閑への反発力もあり、自社と一緒にリスクを取ってくれる良いパートナーになり得ます。
外作と内製の程よいバランスを持った運送会社は安心して業務を任せられるはずです。
輸送依頼の際に『もう自車両がいっぱいです、受けられませんゴメンナサイ』と言われたら困ってしまいます。



③人材確保に対する取組み
運送会社は、大手も中小も、すべて人材不足の状況です。またコロナ禍においても求人倍率は常に高倍率を維持し、もはや何も手を打たなければ従業員がいなくなる、状況です。
前ページのように外作(外注)の利用があるから安心という訳いかないのは、製造業の方も充分に理解できるはずです。やはり重要なのは充実した内製力も持っていることだと思います。
内製力が維持されているということは、何かしらの手を打っている証拠です。これから先も運送会社として残っていける会社と取引したいですよね。
ポイントとしては
各種の認証を取得しているか、求人広告の仕掛けを行っているか、WEBマーケティングや自社ブランド向上、SNS利用など、本来は本業とは関係ありませんが、すべて人材獲得のための取組みです。
時には自社の採用にとっても有効な情報となりますので、どんな取組みをしているのか、確認してみてください。